ハーブは、料理の香り付けやハーブティー、乾燥させてポプリにしたりと、その香りと薬効から、日々の
暮らしを楽しむひとつのアイテムとなっているようです。育て方も簡単で親しみやすい植物です。
【ラベンダー】
一部非耐寒性/シソ科/多年草
6月の末頃にはムラサキ色の花をつけるラベンダーは、ハーブの中で最も有名なものです。様々な種類がありますが、寒さに弱いものは鉢植えにし、冬は室内に取り込みます。寒さに強いものは庭植えでも大丈夫です。ただし、湿気が苦手なので、日あたり・風通しがよく、水はけの良い土地を選んで植えて下さい。冬越しの際には、雪の下にしても大丈夫ですが、雪がかからないように囲ってやればなお良いでしょう。花が咲き終わった時と秋の終わりには、刈り込んで、わき芽を出させるようにします。
花の部分をポプリ、クラフトの材料に、またティーや入浴にも用います。ラベンダーの香りはリラックス、安眠効果が期待できます。
【ローズマリー】
耐寒性/シソ科/多年草
常緑の多年生木で立ち性とぶどう性の大きく2つに分けられます。日の当たる風通しの良い所を好みます。水のやり過ぎには特に気をつけ、水やりは土が乾いたら与えるようにすると良いでしょう。湿気を嫌いますので、枝、葉が繁って混雑したらハサミを入れて整えます。また、花が咲き終わったら花がらを摘み取るようにすれば長持ちします。雪の多い地域では、冬越しの際には鉢植えにして室内に置くようにすると良いでしょう。
独特の香りを持つ葉は、肉料理の香りづけとして、タイム・セージと一緒にブーケガルニなどに使われるほか、ハーブティー、入浴等に利用します。ドライ、フレッシュどちらでも利用できます。
【ミント】
耐寒性/シソ科/宿根草
清涼感のある香りで有名なハーブです。スペアミント、ペパーミント等多くの種類があります。生命力が強く、初心者でも簡単に育てられます。ランナーで増えますので、ガーデンで育てる時は広がり過ぎないよう板や煉瓦で囲うと良いでしょう。夏には、50cmほどの草丈に成長しますので、適時低く刈り込んで、新芽を次々と出させるようにします。冬越しは地面すれすれに刈り込んでおくだけで構いません。鉢植え、プランターでも育てられますが、年に1回は鉢から取り出し、根っこと土が絡みついた「根鉢」ほぐしてやり、新しく土を入れ替えて更新するとよいでしょう。
葉をミントティーにするほか、デザート・ケーキの飾り付け、入浴、ポプリ等さまざまな使い方ができます。
【ジャーマンカモミール】
キク科/一年草
小菊に似た白い花です。カモミールは、他に二年草のローマンカモミール、黄色い花のだイヤーズカモミールがありますが、カモミールといえばほとんどこのジャーマンカモミールを指します。鉢植え、プランター、庭植えのどれでも育てられます。庭植えの場合は、水はけと風通しの良い所に植えて下さい。こぼれだねで増えますので、一株あれば、毎シーズン楽しめます。
花の部分をハーブティーにしたり、浴用染料として用います。ティーは精神安定、安眠効果があるといわれ、また体を温める効果も期待できるので風邪の引きはじめなどに飲むとよいでしょう。
【セージ】
一部耐寒性/シソ科/宿根草
コモン(一般の意)、パイナップル、メキシカンなど様々な品種があり、用途もそれぞれ異なります。一般にはコモンセージが料理用に広く利用され、ゴールデン、ブロード、トリカラーも同じ利用方法です。パイナップル、メキシカン等はガーデン用、またはドライフラワーとして用います。鉢、庭植えどちらでも育てられますが、一年で大きく育ちますので、できれば庭植えか、大きめのプランターが良いでしょう。日当たりの良い場所を好みます。寒さに弱い品種は、冬は鉢に移して室内に置くようにします。庭植えの場合も冬前に刈り込んだり、数件に一度は更新するようにします。
ティーは殺菌、消化、過労に効果があるといわれます。
【タイム】
耐寒性/シソ科/多年草
常緑正の低木でコモン、レモン、ゴールデン、シルバー等の種類があります。鉢植え、庭植えどちらでも育てられます。湿気を嫌いますので、風通し、日当り、水はけの良い土地を選んで下さい。梅雨の頃には繁った枝葉で風通しが悪くなる場合がありますので刈り込んでやります。挿し木、取り木、株分けで増やせます。6月頃小さく薄いピンクの花をたくさんつけます。寒さには比較的強いので庭植えのままで冬越しできます。数年に一度の感覚で個苦心すれば、株が若返り長持ちします。
肉料理やポプリに利用するほか、ガーデン用としても楽しめます。料理に使用する場合は、木化していない白っぽくやわらかい葉、枝を用います。